前科二、現在は無遠慮なヤクザ者へと成長した御子柴にとって気がかりな存在は、かつて殺した仇敵、花村の忘れ形見・花村大星だった。御子柴を育ての親の仇と憎む大星は、施設で我慢ばかりの生活をしてきたはずが、実直で誠実な人間に成長していた。そんな大星がシマのマッサージ店で働いていると知り、街から追い出そうと店に通いマッサージを受けつつちょっかいを出しているうちに、御子柴はいつしか大星を憎からず思うようになり──。(「前科者の睦言 前編」はウェブ・マガジン小説花丸 Vol.5に収録されています。重複購入にご注意ください)