「盗撮とは、相手に気づかれないように、日記を盗み見る行為なんです。
その優越感は、日常生活では絶対に味わえないですから。
そして画像や動画を保存することで、支配欲や所有欲が満たされるのです」
(ある盗撮加害者の証言より)
ハマったら抜け出せない。
盗撮は依存症だった!
検挙件数がこの10年で倍増している、痴漢と並ぶ日本の2大性犯罪“盗撮”。
そんな盗撮が薬物やアルコールと同じく、やめたくてもやめられない「依存症」だと知ったら驚くだろうか。
アジア最大規模の依存症治療施設で、これまでに2000人以上の性犯罪加害者治療に携わってきた専門家である著者が、その手口や心理、治療方法を初めて解き明かす一冊。
盗撮加害者521人の大規模ヒアリング調査でわかった、「盗撮依存」の実態とは?
●四大卒・会社員・既婚の“普通の男性”が盗撮している
●犯行の7割がスマホ。うち9割が「無音アプリ」を使用
●犯行場所となる“盗撮多発エリア”は「電車」と「駅構内」
●加害者1人あたり推定1000回以上の余罪がある計算に!?
●再犯率は4割近く。刑罰と反省だけでは再犯を防げない
●性犯罪の多くは「性欲が原因」ではない!
●盗撮を直接取り締まる法律はないため、法制化が議論に
●東京五輪を機に女性アスリートの被害が社会問題化 etc.
深刻な盗撮被害の実態や、盗撮に依存していくメカニズム、加害当事者へのインタビューから、再発防止のためのプログラム、加害者家族の抱える苦悩、盗撮を軽視・容認する背景にある日本社会の男尊女卑的価値観まで、盗撮にまつわるあらゆるトピックを解説。
巻末には、『おとめ六法』(KADOKAWA)の著者・上谷さくら弁護士と、「盗撮罪」法制化がなぜ必要なのかについて語った対談も収録