2年前、舌がんのステージ4と診断されて、舌の6割を切除した堀ちえみさん。
彼女のご家族から「発語のリハビリ用の絵本を」とリクエストされて
生み出されたのが、この『10のことば』です。
旧知の絵本作家・まえをけいこ。さんは制作の依頼を受けて、
「ちえみさんがやっと取り戻した言葉なら、
あたりまえの挨拶もどんなに心をこめて紡がれているだろうか」と
想像しながら、『10のことば』を編みました。
「おはよう」「いただきます」「ごめんね」「ありがとう」――。
今日もまた、ありふれた一日を営めることの尊さ、
病を経験して気づいた、この世界のかけがえのない美しさ。
そうした一期一会を、やさしい言葉と自然の花々の絵で描きました。
この絵本を、堀ちえみさん自身が朗読した音源も、付録として収録しています。
一言一言、心をこめながら紡ぎだされるあたたかな声からは、
生かされていることへの感謝の思いが伝わってきます。
ぜひ、大切な人へのプレゼントや、愛するお子さんへの読み聞かせに。
かけがえのない人生のひと時に、この絵本がやさしく寄り添ってくれることでしょう。
※堀ちえみさんの朗読は、本書内の二次元コードをスマートフォンで読み取る形で再生できます。