少し前から女性たちのこんな言葉を聞くことが多いと感じていた。「家で和食ってつくらないのよね」「だしのとり方がわからない!」「和食はハードルが高い気がする」「お米よりパンの方がよく食べるかな」……。和食の料理人である僕は、悲しくなり、思わず、叫んだ。「わっ!! ショック!!」このままでは、家庭から和食が消えてしまうのではないか?僕は少しでも多くの女性に和食をつくってもらいたいし、楽しんでもらいたい。好きになってもらいたい。その思いでESSEの笠原道場の連載を始めた。なるべくわかりやすく簡単なレシピで、手に入りやすい材料で、たくさんの料理を紹介してきたつもりだ。最初は失敗することもあるだろう。でも、料理はつくり続ければ必ず上手になる。和食上手な女性は、強く、たくましく、美しい。僕はそう思う。今回、約4年間の連載を一冊の本にまとめることができた。この一冊があれば、ひと通りの和食がつくれると思う。「日本が世界一おいしい国になりますように」。そう願っています。『賛否両論』 店主 笠原将弘