本書では、歴史に刻まれた日本人の生き方を、それぞれの土地・風土との関連の中に、共通項と独特の個性の両面から、探ってみることにしました。それは、言い換えれば、日本人の遺伝子とは何か、ということを、それぞれの時代に、日本の各地で活躍した人物の生きざまを通して考えることでした。そして、そうした歴史上の人物にスポットライトを当てるために、いくつかの地域を選んで述べていくスタイルにしました。それは、いま流行の「歴史のパワースポット巡り」に通じるものがあるかもしれません。本書は、いわば私にとっての「歴史のパワースポット巡り」です。
本書の特色
・【鹿児島】人々の生活の向上を産業革命のテーマにした島津斉彬
・【福岡】保身をせず国家のため無言で死んでいった広田弘毅
・【徳島】日本初の「第九」公演を実現させた松江豊寿
・【島根】神話の時代に日本人の生き方とは何かを示した素戔嗚尊
・【和歌山】戦国武将の夢をすべてかなえた真田幸村
・【伊勢】国学の師弟、天才・賀茂真淵と努力家・本居宣長
・【岐阜】落城を前に家臣の身の振り方を思いやった織田秀信
・【福井】相手のいいところに光を当てる天才・お市の方
・【新潟】戦いに敗れても精神的な背骨を残す道を選んだ小林虎三郎
・【千葉】年を取るごとに成長していった伊能忠敬
・【山形】第二次大戦で武士道精神を世界に示した工藤俊作 他