あらすじ「お願いあるの」。高木泉は震える指先で、元カレの桐原大樹に救いのメールを打っていた。ドロボーだとわかって別れたカレだったのに。貿易会社の経理を担当していた泉は、甘い誘惑に負けて会社のお金に手を付けてしまったのだ。上司に発覚するのは時間の問題だった。自分からドロボーのカレなんて許せないと振ってしまった相手。せっぱ詰まった泉のメールに返信などくるわけはないと思っていた。ところが、大樹からの返信は、思わぬものだった……。愛し続けていてくれた元カレと、今のカレの間で揺れ動くせつない恋の逃避行。