『壁の花は片想いの彼に淫らに愛されたい』
ケイトには誰にも言えない秘密があった。
いけないとは思いながら、美人でお堅い優等生のルームメイト、ソニアの日記を盗み読みするのがやめられない。
ある日ケイトはそこに衝撃的な書き込みを見つける。
ケイトが密かに片思いしているジュールズが、ソニアに“手錠プレイ”を迫ったというのだ。
嫉妬、羨望、そして膨らむ妄想――やりきれない思いを抑えきれず、ケイトは購入した手錠で自らを拘束し、自慰行為で恍惚に浸る。
ところがそれをソニアに見られ、さらにはジュールズにバラされて……。
『満月の夜までに、彼と別れて結婚しなくてはなりません』
夜更けの公園。振り返るとハニーブロンド色の大きな“狼”がそこにいた。
アンソニー・リッチ――私の目の前で、毛皮が灼けた肌の奥へと吸い込まれ――
ああ、どんな人間の男と比べても、アンソニーのは大きい。はるかに。
脚を大きく開いて腰を下げ、彼を深く迎え入れる。
彼とずっとこうしていたい。
私の身体はもう、アンソニー以外の男は受けつけないだろうから……。
でももうすぐ彼とはお別れだ。次の満月の夜までに、私は花婿を選ばないといけない。
でもそれまでは、禁断の相手アンソニーとの悦びを感じ尽くしたい――。