囚われの身である私に対して、野獣は常に紳士的に振る舞った。
毎夜プロポーズを拒んでも、彼は決して逆上したりなどしなかった。
だがある晩、うなされる野獣の声にいてもたってもいられず
彼の寝室に飛び込んだ私は、大きな間違いを犯したことを悟る。
野獣は、乳首も脚のあいだの陰りも完全に透けた私のナイトドレス姿を見て
恐ろしいうめき声をあげ、警告した。
「それを破られたくなかったら、むこうを向いて膝をつけ」
恐怖のあまり身がすくんで動けないはずの私の下腹部で
熱い血潮がふつふつと沸きだし、奇妙な疼きが広がる――
私は興奮していた。野獣の猛々しい愛が、欲しくて……。