ゴーギャン作「かぐわしい大地」に圧倒され、終生追い続けたゴーギャンの謎。『藝術の慰め』など藝術評論も完全網羅。
構想から完成まで6年の歳月を費やし、1961年、第15回毎日出版文化賞を受賞した評伝『ゴーギャンの世界』と、作品解説をした『世界の名画 ゴッホ/ゴーガン』を通して、福永が傾倒したゴーギャンの藝術とその謎を解き明かしていく。
また、藝術評論として雑誌「芸術生活」で連載された『藝術の慰め』は、ピカソ、シャガールなど欧州及び米国の画家22名の絵画を巡ったエッセイで、多角的な視点から一人の画家の個性を描き出している。『意中の画家たち』は日欧のまさに“意中”の画家作品に言及したエッセイ集で、親交があった岡鹿之助の作品は象徴詩的であると、自らの文学観と切り結ぶ線上で論じ、晩年の執筆で福永没後に出版された『彼方の美』や、クラシック音楽に言及した評論「私の内なる音楽」、毎日出版文化賞受賞時のインタビューなども収録している。
附録として、福永自筆のヘンリー・ミラー絵画のラフな模写や、『ゴーギャンの世界』刊行時に友人に配付された30分限定の小冊子等の資料写真を収録。
※この作品はカラー画像が含まれます。