あらすじ本書は、日本人自身が現代の日本をどう考えるかを書いた自己認識の書だ。1964年、欧米で日本が流行った頃に出されたこの本が、他に類を見ない厚みをもつ「日本論」であるのは、まず比較の対象に「インドの場合」を置き、日本が植民地にされなかった特殊性を浮上させ、さらに「古代ギリシャの知識人像」を描き出すことで、今もなお西欧社会の根底に残る「判断者」としての知識人観にせまる。知識人にとって、思想は書物の中だけの言葉ではなく人間の行動を支えるものだという。