『必ず、お前は俺に惚れるだろう』――そんなはず、ない。あんな傲慢男、好きになんか、絶対ならない■家政婦紹介所に登録する美加は「指名」されて都心の高層マンションの最上階に着いた。そこに住んでいたのは池宮グループの御曹司、湊。派遣先でドジばかり踏んできてた美加にとっては、最後のチャンスだった。が、案の定、初日にして20万のグラスを二脚割り、80万のワインでパスタを作ってしまう。やっぱり、もうクビだ……「良いだろう。では、お前の体で弁償してもらおうか」「え……ええっ!?」か、体で弁償!?「あっ……!」耳たぶを軽く唇に含まれ、ビクンと肩が震える。投げ出されたベッドの上で諦観と欲望が混ざり合ったとき――訪ねてきた池宮家の執事で同世代の勅使河原に、湊は美加を婚約者だと言い張り、追い返す。照れ隠しでも言い逃れでもなく、それは本心だった。「指名」して働ける機会をくれ、さらには一ヶ月を美加に与え、その間に好きにさせてみせるという湊の唐突な強制婚約の意味は――快感の疼きを覚え逃げられない美加と、執拗に責める湊。そして、窮地に必ず現れる勅使河原。三人の秘めた過去が徐々に明らかになるにつれ……超絶ワガママな御曹司の部屋に家政婦として勤めることになり、計ったように婚約者のふりをさせられることになった美加に、家事炊事淫楽つきの毎日が始まった! ※本作品にはイラストが収録されていません。