あらすじ明治の東京―出生の事情から十八年間外の世界へ出たことがない桃彦は、亡き母の話を支えに、いつか王子様が助けに来ると信じていた。そして春、義父・エドモンドのひらいた夜会で鷹丈家一の美男といわれる有儿と出会う。伯爵でありながら心優しい有儿の屋敷へ招かれ、執事達にも温かく迎えられて、桃彦は生まれてきた幸せを知る。けれど、淫らな折檻を強いるエドモンドには、ある思惑があって―。