「あなたを見ると、自分が抑えきれなくなる」
マリーアは、“冷たく暗い目をした黒髪の男”に、獣のごとく組み敷かれていた。自分がこの男に抱かれるのは、彼からすべてを奪った贖罪のためなのだろうか? それともこれが愛? マリーアは、父親である皇帝からいない者として扱われていた、役立たずの皇女だった。マリーアに流れる王族の血だけが唯一価値のあるもの。ただ父と国の駒として、二度の結婚を強いられた。そして二人の夫を失ったあと。何もかもに絶望し、国を逃げ出すことを決意する。初恋の男と一夜だけの夫。逃げた先で待ち受ける、運命の分かれ目は…。「共に生きられずとも、あなたの幸せを願っています」壮絶で純粋な愛の物語。
※セット版との重複購入にご注意ください。