自らがオーナーを務める「月の雫」に、柚木和孝が久しぶりに出勤が叶った日の夜。
気持ちのよい疲れからうたた寝をしていた和孝は、帰宅した久遠を誘って甘く溺れた時間を過ごす。さまざまなトラブルを乗り越え、いま「久遠のそば」にいることに自信と幸せを感じているが、執拗に追いかけてくる週刊誌の記者のことは、やはり気がかりで……。
そしてほんの束の間、穏やかな時間を得たふたりは、ひそやかな夜の散歩に出る。
「今夜の月は綺麗だね」
和孝が素直な気持ちでつぶやいたのは、かつてある文豪が「I LOVE YOU」の訳として挙げたとも言われる言葉だ。
久遠――「太陽」と対をなす、この世で一番美しい「月」、和孝の物語!
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