亡き木島の旧友であるアパレル会社の会長・都築英一から久遠に、木島組の息がかかった不動産会社が管理する物件をパーティ会場に使いたい、と申し出があった。
フロント企業の管理物件と知りながら使うことを望んだのは、都築と木島が高校時代の友人だったからだが、そのパーティの給仕の仕事依頼が久遠の恋人である和孝のもとにも舞い込んだことは、さすがの久遠にも想定外の出来事だった。
久遠を気遣いつつも、仕事を受けることを選んだ和孝。久遠と共に、一生歩んでいくと決め、ある意味「開き直った」和孝は、しなやかさと強さを共存させるようになった。パートナーとしては喜ばしい限りだが……。
文庫『VIP はつ恋』の時間軸から、少しだけあとの話。
本編と併せて読むと深読みの楽しみが倍増する――4ヶ月連続短編、第1弾!!
沖麻実也氏描き下ろしイラストつき。