今座っている場所で、ぐるりとわが家を見まわしてみてください。気持ちがいいなと感じたら幸いですが違和感やストレスを少しでも感じたなら、見なおすべきというサイン。人の心には波があって、いつも一定というわけにはいきません。住まいはそんな人の心を映す鏡。人と楽しみを共有したくて、流行のものをコレクションしているときは自分らしさを見失っているときかもしれません。可愛い!大好き! と思っていたものに急に興味がうせて夢から覚めたような気分になることもあります。ものが一夜にして価値を失う瞬間は、とても心寒いものです。わが家に混沌を感じたら頭の中で”床の間”をイメージしてください。床の間は、飾るものの魅力を引き立てるため、余白ものをいわせる場所。必要なものと、ムダなものを、厳しく取捨選択して初めて感動したり、心地よさを感じさせる場所になります。余白こそ心のゆとり。そう考えたら、ムダなものが浮き彫りになり、自分がとらわれすぎていた物事が、きっと見えてくるはずです。主婦と生活社刊