あらすじ足袋屋の一人娘・お絹と硯問屋の手代・音松は秘かに好き合っていた。音松の同僚の平次郎は、働き者で次の番頭候補にも名前の挙がっている音松を妬み、博奕好きの新七を取り込んであるいたずらをしかける。しかしそれが思いもかけない悲劇へと繋がってしまって……『恋文』、今は江戸で蕎麦屋を営むおこうは幼い頃盗賊に両親を惨殺され、信州の五郎兵衛に養女として引き取られた。それから二十四年の月日が流れ、当時を見知っている平蔵はおこうのためにも事件を洗い直そうとするが……『正月四日の客』など5編を収録。