あらすじ五月六日の昼前、本郷の絵師・石田竹仙の家に瀕死の男が迷い込み、“武助にやられた!!十日のお盗めはだめになった…”と臨終の言葉を残して息絶えた。竹仙はすぐに火盗改方を訪ね、死んだ男の似顔絵を平蔵に見せるが……『五月雨坊主』、富岡八幡宮の正祭を前に、隅田川に架かる永代橋は賑わい始めていた。平蔵は一昨年起きた永代橋崩落の事故の際、ある老婆を必死に探していた女・おせんの事を思い出す。平蔵がおせんと知り合ったのは日本橋で頻発したある恐喝事件がきっかけで……『おせん』など5編を収録。