戦争の爪あとが残る昭和20年代、ある町で小さな酒場が営まれていた。「ラム亭」という名のその店は、安酒を楽しむ客でごったがえしている。経営者の夕雨子(ゆうこ)は、線が細いけれど芯の強い女性。今日もまた、学校をサボっていた甥っ子・哲太を大声で叱りつける。哲太は喜怒哀楽の落差がはげしいこの伯母と、憎まれ口を叩きあいながら仲良くやっていた。しかし、いつもの風景は、行方不明だった哲太の父親が帰ってくることでゆらぎはじめ……。戦後の混乱期を舞台にしたホームドラマ『ラム亭のちいママ』をはじめ、南国での出会いと情熱を描く『灼熱の物語』など、全3本のストーリー(全1巻)!!