発達障害当事者あるある+酷い事をした教師への復讐
沖田×華先生は、透明なゆりかごで知りました。
透明な~と同じ絵で、アスペルガーの本の広告が出ているのを見て、発達障害当事者の家族としては見過ごせませんでした。何冊か出されている中から、子ども時代を書いたこの本を選び、読みました。
発達障害当事者の本としては、もっと分かりやすい本や、当事者にとって自分を知る手がかりになり、対処法を学べる本がたくさんあります。なので☆3。
この本の特筆すべきところは、発達障害があると、躾や教育を行う大人からは、暴力やセクハラの対象となりやすい事をストレートに書いてあることです。
今ほど発達障害について知られていなかった時代、教師が発達障害故の言動にイラついて暴力を振るったり、孤立しやすいとか、他人を頼れないのをいいことにセクハラの対象にしたりというのは、少なくなかったと思います。大人になってからも後遺症に苦しんでいる人は多いでしょう。
今まで表に出てこなかったそういうことを赤裸々に綴る事で、他人には問題提起になります。また、今まさに当事者である人に第三者的な目を与え、自分が被害にあってるのだと気付かせる事ができるかもしれません。
私は発達障害当事者あるあるを期待したのですが、この本はそれよりも、著者を傷付けた教師への復讐の意味合いが大きかったです。著者が、内にある怒りや悲しさを吐き出すことで過去を乗り越えようとしているのを感じました。
なので、読後感は良くはありません。色々重いです。でも、学ぶことも多かったので読んでよかったです。今の子どもたちは発達障害を認めてもらい、少しでも生きやすいようにと様々なケアを受けることができます。教師も発達障害に理解ある人が増えました。×華先生のような辛い思いをする子がいなくなりますようにと願ってやみません。
我が子や我が子の友達が発達障害もちという親御さんや、周りに発達障害もちがいるという小学生~高校生に是非読んでほしいです。当事者の頭の中を覗くことで、余計な苛立ちが減るでしょう。
※過去にセクハラや暴力などでトラウマのある人は、注意してください。フラッシュバックの可能性があります。