8年間の苦闘の叫びだからこそ、読むと勇気がわいてくる。脳溢血による半身マヒと失語症に苦しめられ、将来を絶望する作家。そこからの奇跡的な回復ぶりに、改めて人間の意思の力の大きさを知る熱血リハビリ記。NHKドラマ『父帰る』のその後の記録。感動を再び!
●思えば病院は天国だった。退院すれば、すべて自分でやらなければならない。
第1章 伝えようもない失語症の孤独を味わう
第2章 めげずに、こりずに、繰り返す
第3章 自分の力だけでどこまでも行きたい
第4章 再発の恐怖といつも隣り合わせ
第5章 書くことだけが復活の道だ
●毎日、毎日、単調なリハビリが続き、多少うんざりしていた頃、テレビドラマの中で、小泉信三の言葉、「練習は、不可能を可能にする」を知った。僕は、「これだ、これだよ」と思わず叫んだのだ。そうだ、練習すればいいんだ。その時、僕の心は一点の曇りもなくなり、晴れやかな気持ちになったのを絶対忘れない。――「あとがき」より