環境や社会に配慮し持続可能な社会を目指す「サステナビリティ経営」への機運の高まりとともに、これらに関するリポートを提出する企業の数はこの20年で100倍に激増した。しかし現実に目を向けると、環境被害や社会的不平等は依然として拡大しており、必ずしも成果につながっていないことがわかる。この状況に筆者は、サステナビリティに関する測定と報告の構造的な問題、さらには需要が急拡大するサステナブル投資に要因があると指摘する。本書では、かつてティンバーランドCOOとしてサステナビリティ経営に積極的に取り組み、その限界を知る筆者が、サステナビリティ経営を名ばかりにしないためのアプローチを提案する。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2021年12月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。