先行きが不透明で将来の予測が困難な時代であることに加え、深刻なコロナ禍は企業の戦略策定をより厳しいものにしている。こうした中でも、多くの経営者はコロナ後の新常態を見据えて、成長を可能にする新たな戦略を模索していることだろう。しかし、長年さまざまな企業でコンサルティング業務に携わってきた筆者らは、旧来の戦略策定の限界を指摘するとともに、企業価値を向上させるという意味で「日本企業の戦略は大いに改善の余地がある」と指摘する。本書では、従来の戦略策定が通用しなくなった原因を明らかにするとともに、日本企業ならではの戦略に関する問題点を考察。さらに、筆者らが所属するマッキンゼー・アンド・カンパニーが考える、企業の中長期的な成功確率を高める10の要因を交えながら、資本市場から見て、課題のある日本企業の進むべき道を解説する。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2021年11月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。