【内容紹介・目次・著者略歴】
15世紀、イタリアで花開いたルネサンスを、「近代」と「ヒューマニズム」のはじまりとして捉え、その人間観、哲学を再考する。
【目次より』
まえがき
ルネサンス思想再考のために
一 ルネサンス思想研究の意義
二 ルネサンス思想再考のために
三 「開かれた学」の理念
四 「対話」としての探究
五 「市民的対話」
六 「観想的生活」と「行動的生活」
七 ―つの視点
ルネサンス思想史の試み
一 「最初の近代人」
二 中世的世界観と価値秩序
三 視線の逆転
四 〈融和〉の試み
五 フマニタス研究の理念
六 〈融和〉の達成
七 〈融和〉の破綻
八 ニヒリズム
ルネサンス思想論の試み
I ヒューマニズムの原点──ペトラルカ断想
一 ルネサンス的作家像の一典型
二 哲学的探究
II 文献学的精神
一 ヒューマニズムと文献学
二 ことばへの愛──文献学
三 「雄弁」への愛──修辞学
四 人間存在と「ことば」
五 対話への愛
六 作品観
七 歴史意識
八 権威主義からの解放
九 文献学と修辞学との統一
十 修辞学的対話としての探究
III 市民的ヒューマニズムの一典型
一 パルミニーリとフィレンツェ文化
二 『市民生活論』とフィレンツェ・ヒューマニズム
三 「良き市民」とその教育
四 「普遍人」の理想
五 教育方法と教育目的
六 自己自身の本性に従え
七 結論
IV ルネサンス的人間像
一 ルネサンス的人問
二 フマニタスの人
三 フマニタスの意味
四 「普遍人」の理想
五 市民的「普遍人」から制作的「普遍人」へ
V ルネサンスにおける「自我」
一 「自我」の発見
二 近代的「自我」
三 ルネサンスの人間観
四 ルネサンスの「自我」
イタリア哲学史の試み
I 予備的考察
一 イタリア哲学研究の意義
二 イタリア哲学の伝統と特質
三 イタリア哲学の歴史的概観
II ルネサンスの哲学
一 ヒューマニズム
二 プラトン主義
三 アリストテレス主義
四 自然哲学
III 一八世紀の哲学
一 ヴィーコ
二 啓蒙主義
IV 一九世紀の哲学
一 リソルジメントの哲学
二 実証主義とヘーゲル主義
1 実証主義 2 ヘーゲル主義
V 二〇世紀の哲学
一 新理想主義
二 その他の哲学
近藤 恒一
1930年生まれ。イタリア文学者。東京学芸大学名誉教授。専門はルネサンス思想史・文芸史。広島大学大学院文学研究科(西洋哲学専攻)博士課程単位修得退学。文学博士。
著書に、『ペトラルカ研究』(マルコ・ポーロ賞)『ルネサンス論の試み』『ペトラルカと対話体文学』『ペトラルカ 生涯と文学』など、
訳書に、ペトラルカ『ルネサンス書簡集』エウジェーニオ・ガレン編『ルネサンス人』カンパネッラ『太陽の都』ペトラルカ『わが秘密』『ペトラルカ=ボッカッチョ往復書簡』ペトラルカ『無知について』ロレンツォ・ヴァッラ『快楽について』などがある。