【内容紹介・目次・著者略歴】
樹々は光のシャワーを浴びながらフルートを吹く。山麓の森はつかのまの睡りにおちた。
帰りはあの麓の道を歩いてみよう。ところでぼくらの天使はどうしているのだろう?
南京玉の指輪を求めにやってきた、夢の世界の訪問者・串田孫一がおくるファンタスティック・エセー。
【目次】
櫛
寒竹
霞
箱
雫
心開く
烏賊に化す
鵠
睡蓮
帝江
旗
逆さま
掛けなかった電話
南京玉の指輪
浜辺の歌
日記
老人の家
ある情景
転地
海
真如の月
路面芸術
画室
絵具
印刀の錆
字
黒によって描かれる世界
音楽帖
笛を吹く人
食後の話
甃
手紙の函
石垣
桜ん坊
金魚
手袋
天秤棒
看板
崩壊
棄てられた都会
銀河
柏の下の午睡
白磁の眩しさ
幻想の山
山雲断層
雲の手帖
地下に輝く水音
後記
串田 孫一
1915~2005年。詩人、哲学者、随筆家。東京帝国大学文学部哲学科卒。上智大学、東京外国語大学で教鞭を執る。著作は、詩集のみならず、人生論、哲学書、画集、小説、翻訳など多岐にわたっている。創文社の山岳雑誌『アルプ』の責任編集者も務めた。
著作には、『漂泊』『音楽帖 詩集』『南京玉の指輪『光と翳の領域 随想集』『文房具』
『自然の断章』などがあり、100冊をゆうに超える。主著は、詩集『羊飼の時計』、随筆集『山のパンセ』など。