【内容紹介・目次・著者略歴】
静かに昨日の山を回想する菫色の時間。
「山想」「山の博物誌」「山の手帳」「踏みあと」の4部構成からなる珠玉の山のエッセイ集。
「山が菫色に染まるのは夕暮である。風もなく、やわらかに暮れていく時である。山を下りながら、ここで煙草を吸って行かなければと思う時である。私には大切な菫色の時間である。」(「あとがき」より)
【目次】
山想
三等三角点
水楢の林にて
雨の終曲
憂鬱
翌日の夕暮
風の中の亡霊
雨
夏の山
夏の旅
冬の山
山と旅
薄雪の林にて
緑の山
線
山の博物誌
停滞の日
雷鳥
めぼそ
鹿の爪あと
樹の物語
山毛欅の肌
高嶺の花
輪〓
ピッケル
帽子
山の手帳
大源太山
中禅寺湖
二箭山
釜無山
剣の八ッ峯
北鎌尾根
鹿島鑓釣尾根
地蔵峠
御嶽山
小黒部谷
カンバ沢山
丸岳
子持山
踏あと
山の裏にて
霧の山
念場ガ原
鳥甲山
外ノ川
雨飾山
老いた山の姿
あとがき
串田 孫一
1915~2005年。詩人、哲学者、随筆家。東京帝国大学文学部哲学科卒。上智大学、東京外国語大学で教鞭を執る。著作は、詩集のみならず、人生論、哲学書、画集、小説、翻訳など多岐にわたっている。創文社の山岳雑誌『アルプ』の責任編集者も務めた。
著作には、『漂泊』『音楽帖 詩集』『南京玉の指輪『光と翳の領域 随想集』『文房具』
『自然の断章』などがあり、100冊をゆうに超える。主著は、詩集『羊飼の時計』、随筆集『山のパンセ』など。