意に染まぬ結婚に甘んじると決めた夜、月明かりが導いた、運命の男性は――?
その夜、リアは絶望を抱え、許婚の寝室へ向かった。初めて会った瞬間から、私を虜にしたラファエル。なのに父の決めた許婚は、あろうことか彼の異母弟なのだ。でも、籠の鳥の私にいったい何ができただろう?ラファエルへの恋心を封印し、リアは許婚の寝室を訪ねた。夫となる人に心を捧げられないならば、せめて体を捧げる――それが、実らぬ恋をあきらめるただ一つの道に思えたから。迎え入れた許婚の端整な顔がその刹那月明かりに照らし出され、リアは息をのんだ。ラファエル! まさか部屋を間違えたの?抗うすべもなく情熱を交わした後日、リアは妊娠に気づく――。
■「そこまでだ。花嫁は僕がもらう!」結婚式当日、大聖堂に響いた声の主はラファエル。でも初恋の男性からの愛なきプロポーズを喜べるはずもなく……。起伏に富んだドラマチックな作風でリン・グレアムの再来と呼び声の高い、ジャッキー・アシェンデンの力作!