わたしに残された時間は少ない。なのに、私を捨てたあなたと、再会するなんて……。
白血病に冒された教師アントニアは、残された日々を家族と過ごすため、二度と帰るつもりのなかった故郷の町へ戻ってきた。9年前の、壊れてしまいそうなほど傷ついた記憶がよみがえる――愛する恋人パウエルとの結婚を控え、幸せの絶頂にいたさなか、アントニアには愛人関係にある別の男がいるという噂が立てられた。もちろん根も葉もない作り話だったが、パウエルは怒って婚約を破棄し、あろうことか、噂を流した彼女の親友と結婚してしまったのだ。思い出すだけでもつらいのに、今、さらなる皮肉な運命が待っていた。代任教師を務めることになった母校の担任クラスに、町の有力者となったパウエルと、今は亡き妻の娘がいるとわかったのだ!
■理不尽に捨てられてもなお、心の痛みを癒やせぬままパウエルを愛し続けたアントニア。まさか再会するとは思ってもみませんでした。日に日に体力は衰えていき、さらに彼と感情をぶつけ合うことに心の限界を感じた彼女は、ふたたび逃げるように町を出ますが……。
*本書は、ハーレクイン文庫から既に配信されている作品のハーレクイン・プレゼンツ作家シリーズ別冊版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。