「#MeToo」運動やブラック・ライブズ・マター運動、さらにコロナ禍で前景化した構造的な不平等を受けて、企業もこうした問題に積極的に関与することが求められている。だが、さまざまな取り組みを喧伝しても、リーダーシップの中心を占める白人男性みずからが「特権を与えられた存在」であることを認めず、適切に対処できていないのが実態だ。構造的な問題を正しく認識し、組織に不可欠な多様性、公平性、包摂を実現するには、白人男性などのマジョリティが周辺化した人々と連帯する「アライシップ」が必要だと、筆者らは主張する。本書では、差別や抑圧、疎外を受けてきた人々に対する支援と連帯によって、組織に社会正義を実現するための方法を論じる。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2021年6月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。