【内容紹介・目次・著者略歴】
さまざまな史料の「概念史研究」にもとづき、権原論を軸としてドイツ領邦権力の国制構造を体系的に考察・解明した意欲作。
第一篇 序説 絶対主義的領邦権力研究の諸前提
はじめに:ヨハン・ウルリッヒ・フォン・クラーマーの二つの判断
第一節 絶対主義をめぐる諸問題と諸課題
第二節 「ランデスホーハイト」研究史
第三節 ドイツ史学史上の「近代国家」論
第四節 我が国での研究史と本書の構成
第二篇 一六世紀における領邦君主権
第一章 諸権原
第一節 守護権(Schutz)
第二節 一般的権原
第三節 特殊的権原
一 修道院フォークタイ 二 封主権
第二章 領邦君主権の複合体的性格
第三篇 絶対主義的領邦権力の近世的構造
第一章 領邦権力概念の諸類型
第一節 定義
一 Jus territorii, Superioritas territorialis 二 Maiestas, Souverainete, Suprematus 三 Landeshoheit
第二節 構造的特質:諸高権の秩序化
一 Jus territorii, Superioritas territorialis 二 Maiestas, Souverainete, Suprematus 三 Landeshoheit
〔補論〕 領邦権力と帝国身分
第二章 領土概念と臣民概念
第一節 領土
一 "in territorio" - "de territorio" 論 二 "territorium clausum" - "territorium non clausum" 論
第二節 臣民
第三節 法実務における領土と臣民
一 〔フランケン〕 二 〔ライン流域〕 三 〔シュヴァーベン〕
第四節 家産制国家論と優越所有権論
第三章 諸権原
第一節 一般的権原
一 上級裁判権 二 下級裁判権的フォークタイ 三 領邦守護権と契約守護権
第二節 特殊的権原
一 教会-修道院フォークタイ 二 封主権
第四章 ポリツァイ
第一節 文献におけるポリツァイ
一 一六世紀のポリツァイ論 二 一七世紀及び一八世紀前半のポリツァイ論
第二節 法令におけるポリツァイ
〔補論〕 近世的官僚制の基本論点
第五章 軍事権力
第一節 第一次「軍制改革」 傭兵軍と選抜民兵軍との二元兵制
一 「理論」 二 実態
第二節 絶対主義の軍制 職業的常備軍と選抜民兵軍との二元兵制
一 「理論」 二 実態
総括と展望
あとがき
引用史料・文献一覧
欧文要旨
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神寶 秀夫
1948年生まれ。西洋史学者。九州大学名誉教授。専門は、ドイツ史。
東北大学文学部卒、同大学院博士課程満期退学。文学博士。
著書、『近世ドイツ絶対主義の構造』『中・近世ドイツ都市の統治構造と変質 』『中・近世ドイツ統治構造史論』などがある。