【内容紹介・目次・著者略歴】
独自の文明社会像を提示して、富と腐敗という時代の問に応えたヒューム思想に迫る。サントリー学芸賞・日本学士院賞受賞。
【目次より】
凡例
略記号表
序章 方法論的覚え書き
一 ヒューム思想の文体
二 スコットランド啓蒙の問題
三 本書の主題と方法 「人間学」から「文明社会」論へ
第I部 ヒューム文明社会論の方法と起源
第一章 『人間本性論』における社会科学の方法
一 啓蒙的世界の胎動とヒューム思想の出発
二 道徳哲学の危機と「人間学」構想の確立
三 社会科学の方法
四 ヒューム経験主義の実践的基礎
第二章 『道徳・政治論集』における文明社会認識の起源
一 スコットランド啓蒙におけるイングランドとスコットランド
二 『道徳・政治論集』における文明社会認識の出発
三 ヒュームの名誉革命体制認識と懐疑的ウィッグ主義
第II部 ヒューム文明社会論の形成と展開
第三章 ヒュームのヨーロッパ体験と文明社会認識の形成
一 ヒュームのヨーロッパ認識と開明君主制の概念
二 名誉革命体制の動揺と方法意識の深化
三 ヒュームのヨーロッパ体験と文明社会認識の新展開
四 モンテスキュー『法の精神』の出現とヒューム文明社会像の形成
第四章 『政治論集』における文明社会認識の展開
一 『政治論集』の経済学
二 文明社会における古代と近代
三 ヒューム貨幣理論の文明社会論的意義
四 生活様式の理論としてのヒューム文明社会論
第III部 ヒューム文明社会論の確立と展望
第五章 『イングランド史』における商業と自由
一 文明社会史としての『イングランド史』
二 テューダー絶対王政における商業と自由
三 ステュアート絶対王政における商業と自由
四 ヒューム文明社会像における勤労・知識・自由
第六章 名誉革命体制の危機をめぐるヒュームとウォーレス
一 文明社会の危機をめぐるヒューム、ウォーレス、ブラウン
二 ウォーレス『諸特徴』における名誉革命体制の経済学的認識
三 名誉革命体制の政治的評価 通俗的ウィッグ主義の社会経済思想
四 名誉革命体制の危機と文明社会の危機 結びに代えて
あとがき
文献目録
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坂本 達哉
1955年生まれ。社会思想史研究者。早稲田大学教授。慶應義塾大学名誉教授。慶應義塾大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科博士課程単位取得。グラスゴー大学に学ぶ。日本学士院賞受賞。
著書に、『ヒュームの文明社会』『ヒューム希望の懐疑主義』『社会思想の歴史 マキアヴェリからロールズまで』『黎明期の経済学』(編)『徳・商業・文明社会』(共編)など、
訳書に、S.コリーニ, D.ウィンチ, J.バロウ『かの高貴なる政治の科学 19世紀知性史研究』(共訳)などがある。