【内容紹介・目次・著者略歴】
マクロ経済学はその姿を一変させ、今や新古典派理論の全盛となり、アメリカを中心とする学界もそれを「進歩」として支持する。著者はこれに断固として反対し、過去二五年間のマクロ経済学を批判的に検討し、理論の基礎をケインズの天才が見抜いた需要不足(=有効需要)に据えて、新しいマクロ経済学を試みる。中級レベルの学習のための道先案内を務める本書を通して、読者は実際的で豊かな可能性に満ちたマクロ経済学を見出すに違いない。
【目次より】
まえがき
図表一覧
序論
1 マクロ経済学の「新古典派化」
2 「新しい」ケインズ経済学
3 新しいマクロ経済学を求めて
景気循環の理論
1 Ramseyモデル
2 リアル・ピジネス・サイクル理論
3 ケインズ的アプローチ
4 金融政策と景気循環
経済成長論
1 Old Growth Theory
2 New Growth Theory 内生的成長モデル
3 経済格差の縮小
新しいマクロ経済学
1 価格と数量
2 生産要素の「不完全雇用」と生産性の部門間不均等
3 ルイス・モデル
4 需要と経済成長
5 残された課題 オープン・エンド
TFPと技術進歩の需要創出効果 技術進歩はいかにして生み出されるのか 技術進歩と不完全雇用
4章付論
文献表
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吉川 洋
1951年生まれ。経済学者。東京大学名誉教授、立正大学学長。東京大学経済学部経済学科卒業、米国イェール大学にて同大学より博士号 (Ph.D.) 取得。専門は、マクロ経済学、日本経済論。
著書に、『マクロ経済学研究』『日本経済とマクロ経済学』『ケインズ 時代と経済学』『マクロ経済学』『高度成長 日本を変えた6000日』『転換期の日本経済』『現代マクロ経済学』
『構造改革と日本経済』『いまこそ、ケインズとシュンペーターに学べ』『デフレーション “日本の慢性病"の全貌を解明する』『人口と日本経済 長寿、イノベーション、経済成長』など多数ある。