【内容紹介・目次・著者略歴】
現代日本の金融構造とその歴史的経緯を概観し、貨幣の需要と供給に関してマクロとミクロの両面から総合的に考察、その理論体系を簡潔に説明して、金融論の基礎を与える。さらに資産価格の決定のメカニズムを明らかにするとともに、金融派生商品(デリバティブ)の特質とその多様な取引を解説し、最後に将来において重要な役割を果たすと思われる電子マネーを分析して、その問題点と課題を示す。不良債権処理や間接金融から直接金融への転換に見舞われているわが国の金融界、そして単一通貨ユーロの出現と中国のWTO加盟に象徴される世界経済の変化を考えるうえで、金融政策の効果や国際金融理論までをも射程に入れた本書は、扱われているテーマの広さと理論的な信頼性において、金融経済に関心をもつ多くの学生や社会人にとって、今日求めうる最良のテキストとなろう。
【目次より】
まえがき
1 金融現象の基本構造
1.1 金融現象の本質
1.2 貨幣の機能と金融取引
1.3 金融システム
2 わが国の金融構造
2.1 高度成長を支えた金融システム
2.2 金融自由化・国際化へ
2.3 新しい金融制度への動き
3 貨幣供給と金融機関の行動
3.1 貨幣制度と銀行券
3.2 預金通貨の供給
4 家計および企業の金融行動
4.1 家計の金融行動
4.2 企業の金融行動
5 貨幣需要のマクロ的定式化とミクロ的基礎
5.1 マクロ的定式化
5.2 貨幣需要のミクロ的基礎
6 金融市場の理論
6.1 債券価格と利子率
6.2 株式価格
トービンのq理論
6.3 効率的証券市場
6.4 金融契約
7 金融政策
7.1 金融政策の目的と手段
7.2 IS-LM分析
7.3 物価水準の決定
7.4 合理的期待と経済政策
8 国際金融
8.1 外国為替と国際収支
8.2 国際金融市場
8.3 為替レートの決定理論
8.4 開放マクロ経済と金融政策
9 金融派生商品(デリバティブ)
9.1 金融脈生商品(デリバティブ)の一般的特質
9.2 金融先物取引
9.3 金融オプション取引
9.4 オプション価格決定理論(プレミアムの決定モデル)
9.5 スワップ取引
9.6 デリバティブに関するリスク管理
10 電子金融
10.1 電子決済
10.2 電子マネーの特徴
10.3 電子マネーの問題点と課題
10.4 金融政策への影響
付表
参考文献
あとがき
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塩澤 修平
1955年生まれ。経済学者。慶應義塾大学経済学部教授。慶應義塾大学経済学部経済学科卒業、同大学大学院経済学研究科修士課程修了。専門は理論経済学。博士(経済学)(ミネソタ大学)。
著書に、『現代金融論』『経済学・入門』『デフレを楽しむ熟年生活』『現代ミクロ経済学 中級コース』(共編著)『説得の技術としての経済学』『基礎から学ぶ ミクロ経済学』などがある。