【内容紹介・目次・著者略歴】
15世紀ドイツの思想家ニコラウス・クザーヌスの宗教哲学的思想の全体像を「無限の思惟」という独自な視点から把握し、その形而上学的思想の体系的な解明を試みたもの。〈docta ignorantia〉に立脚する「無限」の思惟としてクザーヌスの思想的全体像を構築する。
【目次より】
序
目次
序章 クザーヌスと〈無限〉の思惟
第一章 〈docta ignorantia〉の立場
第一節 クザーヌスと思惟の出発点
第二節 知と無知
第三節 無知からの思惟
第二章 〈docta ignorantia〉の論理 臆測の術」(ars coniecturalis)をめぐって
第一節 臆測(coniectura)について
第二節 「四つの一性」の思想
第三節 一性・他性・関与
むすび
第三章 「数学的なもの」の意味
第四章 神と世界の関係
序
第一節 無限なる神
第二節 世界の無限性
第三節 絶対と縮限
第四節 神・世界・個物
第五章 宇宙論の基礎
第六章 〈人間〉の問題
序 問題の所在と射程
第一節 「縮限的にして絶対的な最大」
第二節 humanitasからchristusへ
第三節 精神(mens)について
むすび
第七章 精神と認識
付論 無限と宇宙 ルネサンス宇宙論の一側面
第一節 「閉じた世界」と「無限の宇宙」
第二節 クザーヌスにおける無限と宇宙
第三節 ブルーノの無限宇宙論
第四節 ルネサンス宇宙論の特質
参考文献
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薗田 坦
1936-2016。哲学者・宗教学者。専門は西洋近世哲学史・宗教哲学。文学博士。京都大学名誉教授、仁愛大学名誉教授。
著書に、『〈無限〉の思惟 ニコラウス・クザーヌス研究』『クザーヌスと近世哲学』『親鸞他力の宗教 ドイツ講話集』『現代の人間と仏教 仏教への道』『無底と意志-形而上学 ヤーコプ・ベーメ研究』など。