【内容紹介・目次・著者略歴】
グレゴリウス改革とは、ヨーロッパ中世における最大の教会改革である。教皇レオ9世の登位(1049)から第1回ラテラン公会議(1123)までの教皇による教会改革のことである。グレゴリウス7世がその中心的な役割を果たした。 その改革の全容を解明する。
序説
一 課題と対象
二 名称をめぐる問題
三 研究史概観
第一章 グレゴリウス改革の対象 教会の危機
一 ローマ教皇座の危機
二 教会の変質と聖職者の倫理的堕落
三 王権の教会支配
四 教会の王権に対する態度
第二章 グレゴリウス改革の起原
一 グレゴリウス改革とクリュニー
二 改革教皇座成立までの教会改革
第三章 グレゴリウス改革の出現とその展開
一 改革教皇座の成立と改革の基礎づけ
二 教皇座をめぐる状勢の変化と改革の進展
三 アレクサンデル二世の在位期
第四章 グレゴリウス時代初期(一〇七三~七五年)における諸問題
第一節 聖職者の倫理的改革
第二節 教皇権威の浸透
第三節 世俗権との関係
第四節 東方計画
第五章 教皇首位権と《Dictatus papae》
第六章 改革の進展(一)教会の解放
第一節 ハインリヒ四世との闘争と教権の俗権に対する優越
一 一〇七五年の俗人叙任禁令
二 公会議後における教皇座とドイツ王との関係
三 闘争の開始とその本質
四 教皇の破門宜言の性格とその目的
五 トリブール オッペンハイム カノッサ
六 対立王の選出と教皇の中立的態度
七 ハインリヒに対する二回目の破門廃位とルードルフの承認
八 一〇八〇年以後の闘争
第二節 俗人叙任の問題
第七章 改革の進展(二)聖職者の倫理的改革
第八章 改革の進展(三)教会の中央集権
第九章 改革の進展(四)教皇座への世俗諸君主の結合と従属
第十章 グレゴリウス七世と十一世紀の諸教会改革の動き
第一節 グレゴリウス七世とクリュニー
第二節 聖堂参事会改革運動とグレゴリウス七世
結語
付論一 ヒルデブラント
付論二 グレゴリウス七世の教皇選出
あとがき
主要参考文献
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野口 洋二
1933年生まれ。西洋史学者。早稲田大学名誉教授。専門は西洋中世史。
早稲田大学大学院博士課程修了。文学博士。
著書に、『グレゴリウス改革の研究』『中世ヨーロッパの教会と民衆の世界』『中世ヨーロッパの異教・迷信・魔術』『西洋の歴史<古代・中世編>』(編著)など、
訳書に、オーギュスタン・フリシュ『叙任権闘争』チャールズ・ハスキンズ『十二世紀ルネサンス』クリストファー・ドーソン『中世ヨーロッパ文化史』ジャック・ヴェルジェ『入門 十二世紀ルネサンス』ジャック・ヴェルジェ『ヨーロッパ中世末期の学識者』などがある。