【内容紹介・目次・著者略歴】
「永遠真理創造説」が「神の存在証明」として表現されていることを、『省察』全体の内在的論理と論証構造を通して分析した画期作。
【目次より】:
凡例
第一章 デカルト的方法についての試論
一 ア・プリオリとア・ポステリオリ
二 方法的懐疑
三 因果律批判
四 神存在のア・ポステリオリな証明
五 神存在のア・プリオリな証明
六 デカルト的論理
第二章 懐疑と循環
一 はじめに 「問うこと」と「疑うこと」
二 方法的懐疑
三 真理と循環
四 むすび 「コギト」と「意識」
第三章 差異 デカルト的「観念」論のための序
一 相等性と同一性
二 外部と内部
三 空間と時間
第四章 デカルト的「観念」論への注解 「第二~五省察」の分析試論
一 コギトの発見
二 思惟と想像
三 蜜蝋の比喩
四 思惟と観念
五 観念と原因性
六 知性の内部と外部
七 神の観念 無限性
八 神の観念 自己原因
九 観念と誤謬
十 物体的事物の観念
十一 神存在のア・プリオリな証明
十二 物体的観念の被造性
第五章 同一性と比喩 デカルトにおける〈神の存在論的証明〉についての一考察
一 はじめに
二 同一性と絶対無
三 同一性と意味
四 同一性と時間
五 同一性と比喩
第六章 デカルトにおける「実体の表現」の問題 ヘンリィ・モアとの往復書簡に関連して
一 はじめに
二 「観点上の区別」と「様態的区別」
三 「実在的区別」
四 「空間」と「場所」
五 「想像」と「無際限」
六 「コギト」の無媒介性
第七章 デカルトの「運動」概念をめぐって
一 はじめに
二 通常の意味での運動
三 本来の意味での運動
四 直線運動と円運動
五 機械論的自然観の意味
第八章 物質主義的生命観と人間 「第六省察」から『情念論』へ
一 はじめに
二 機械論と目的性
三 客観性の公準と物心二元論
四 物質の表現としての生命と人間=機械説
五 感情の形而上学のために
あとがき
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福居 純
1938年生まれ。哲学者。一橋大学名誉教授。専門は、特にデカルト、スピノザ研究。東京大学教養学部フランス科卒、同博士課程単位取得満期退学。文学博士。
著書に、『デカルト研究』『スピノザ『エチカ』の研究 『エチカ』読解入門』『デカルトの「観念」論 『省察』読解入門』『スピノザ「共通概念」試論』『デカルトの誤謬論と自由』など、
訳書に、ジュヌヴィエーヴ・ロディスールイス『デカルトと合理主義』ジャン・メナール『パスカル』ポール・フルキエ『哲学講義 1』シモーヌ・ヴェーユ『科学について』などがある。