【内容紹介・目次・著者略歴】
生命倫理、環境倫理などの諸問題に目を据えながら、さらに〈真に人間として生きることはいかなることであろうか〉という私たちにとって永遠の究極的な問題に迫る。現在、世界的に見れば、飢えと戦乱に苦しむ地域もあるのに、日本では、物質的な豊かさに溢れ、経済的効率性に社会が支配されている。その中に見失われた人間性の取り戻しこそ、いま、何よりも必要なことである。内面的な豊かさとしての生の充実を求めて、改めて、自己自身に対して、意識を深く向けなおすべき時であろう。
【目次より】
序章 苦悩する知 生きる環境を考える
A 生命を考える
一章 実存としてのいのち メタフュジックスからメタバイオロジーへ
二章 生命と倫理 技術化された時代における問題点
三章 実存思想と生命倫理
四章 生命倫理という問題
五章 生命倫理と倫理学
B 環境を考える
六章 環境倫理学の可能性
七章 環境問題の背景と将来
八章 失われた感性 実存的人間学からの一考察
終章 悲劇とは何か 有限存在の事実性
注
あとがき
参考文献
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浜田 恂子
1932年生まれ。倫理学者、哲学者。関東学院大学名誉教授。
東京大学文学部独文学科・倫理学科卒業。同大学院博士課程単位取得満期退学。文学博士。
著書に、『倫理学入門 倫理学についての対話』『キルケゴール 主体性の真理』『歌舞伎随想』『生きる環境の模索 苦悩する知』『死生論』『近・現代日本哲学思想史』『二つの『忠臣蔵』 続歌舞伎随想』『入門 近代日本思想史』『歌舞伎勝手三昧』などがある。