【内容紹介・目次・著者略歴】
スコトゥス思想の中心に位置する「存在の一義性」をテクストの丹念な解読により初めて解明し、今後のスコトゥス研究の基盤を提供する重要著作。
【目次より】
はじめに
緒論
第一章 スコトゥスにおける諸概念の意味
第一節 概念の第一次的抽象
A 可知的形象の措定
B 能動知性の問題
第二節 実在概念
第三節 論理的概念
A クウィッドとクアーレ
B 規定的と被規定的
C 外属的と被外属的
第四節 実体概念
第五節 実存概念
第六節 神の実存の非自明性
第七節 神の概念
第二章 知性のうちで一義性が主張される根拠
第一節 神と被造物の概念における一致
第二節 「自然的」であることの二重の意味
第三節 知性の第一対象について(1) 異論の検討
A われわれの知性の第一対象は質料的事物の本質ではないこと
B われわれの知性の第一対象は神ではないこと
第四節 知性の第一対象について(2) 「第一主義」の定義
第五節 知性の第一対象について(3) 「存在」が第一のものである
第六節 諸概念における存在の一義性の証明
第三章 存在の一義性の証明
第一節 概念が「一義的」であること
第二節 概念の一義性の証明
1 第一の証明
2 第二の証明
3 第三の証明
4 第四の証明
5 第五の証明
6 その他の一義性の証明
第三節 一義性の証明の根拠について
第四章 結論
われわれが用いたテクストについて
あとがき
索引
略記事項
註
引用文献表
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八木 雄二
1952年生まれ。哲学者。東京キリスト教神学研究所所長。
慶應義塾大学大学院哲学専攻博士課程修了。文学博士。専門は西欧中世哲学。
著書に、『スコトゥスの存在理解』『鳥のうた 詩歌探鳥記』『中世哲学への招待』『イエスと親鸞』『古代哲学への招待』『生態系存在論序説』『「ただ一人」生きる思想』『天使はなぜ堕落するのか』『神を哲学した中世』『聖母の博士と神の秩序』『哲学の始原』『裸足のソクラテス』など、
訳書に、『エギディウス・ロマヌス 『Theoremata de esse et essentia』(訳)を巡って 中世存在論の一断面』(共訳)『カントが中世から学んだ「直観認識」 スコトゥスの「想起説」読解』などがある。