【内容紹介・目次・著者略歴】
1960年代初頭に、日本経済は完全雇用状態となった。生産労働人口の増加減少と雇用の実態を分析することで経済の転換点を探る。
【目次より】
はしがき
I 転換点理論の性格
1 経済成長論への反省 2 経済発展論の登場
II 転換点理論の適用の可能性
1 二重構造の存在 2 停滞的な実質賃金 3 最近時の労働市場の変ぼう 4 日本経済の転換点をめぐる論争 5 転換点とは何か
III 転換点の理論
1 無制限的労働供給と制限的労働供給 概説 2 無制限的労働供給と制限的労働供給 3 転換点と2つの段階 4 転換点をこえる条件
IV (補論)転換点理論の数学的定式化
1 無制限的労働供給と制限的労働供給 2 転換点と2つの段階 3 転換点をこえる条件 4 相対価格の決定
V 転換点をいかに見出すか
1 転換点を見出す際の問題 2 転換点を見出す基準
VI 非資本主義部門の実質賃金
1 農業の実質賃金 2 紡織女工の実質賃金
VII 賃金格差の変化
1 製造業の実質賃金と製造業・農業間の賃金格差 2 最高,最低賃金労働の実質賃金と両者の間の格差 3 製造業の男女間賃金格差 4 規模別賃金格差 5 賃金格差の変化
VIII 非資本主義部門の労働の生産力
1 農業の生産関数の計測 戦前 2 農業の生産関数の計測 戦後 3 労働の限界生産力の動きとその要因
IX 非資本主義部門の賃金の決定要因(基準1,2によるテスト)
1 農業における賃金と限界生産力との比較 2 農業における賃金と限界生産力との相関関係 3 農業における賃金と生産性との相関関係 地域間分析
1. 戦前の分析 2. 戦後の分析
X 労働供給の弾力性(基準6によるテスト)
1 分析のための準備 2 分析
XI (補論)非資本主義部門の労働力の変動
1 農林業就業者数の推計(1872~1940,1948~67年) 2 農林業就業者の純流出の推計(1873~1940,1949~67年) 3 家族従業者数の変化 4 農家人口の推計(1920~40, 1950~68 年) 5 農家人口の純流出の推計(1921~40,1952~67年)6 結論とその含意
XII 要約と結論
日本経済の転換点をめぐる論争について
XIII ルイスヘのコメント
XIV フェイ・レニスヘのコメント
1 非1次産業の資本労働比率 2 製造業の実質賃金
XV ジョルゲンソンヘのコメント
1 ジョルゲンソンの分析 2 ジョルゲンソンの分析の問題点
参考文献
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南 亮進
1933年生まれ。経済学者。一橋大学名誉教授。一橋大学卒業、同大学院で博士号を取得。経済学博士。専門は、経済成長、中国経済。
著書に、『日本経済の転換点』(日経・経済図書文化賞受賞)『日本の経済発展』(共著)
『日本の工業化と技術発展』(共著)『デモクラシーの崩壊と再生』(共編)『流れゆく大河』(共編)などがある。