【内容紹介・目次・著者略歴】
1~3世紀前半の皇帝政治を、政治支配層の実態に即して考察した、ローマ帝国の本格的な政治史研究。
はしがき
凡例
目次
序論 ローマ皇帝政治とは何か
第一部 皇帝政治の進展と社会構造の特質 紀元一世紀のローマ帝国
第一章 皇帝政治の進展と政治思潮の様態
一 皇帝政治と自由
二 アウグストゥスと自由
三 恐怖政治の時代の自由
四 対立する二つの自由
第二章 皇帝権力の確立と反皇帝行動の本質
一 哲学者の反皇帝行動
二 反皇帝行動の性格
三 反皇帝行動と弾圧の社会的背景
第三章 ローマ社会の特質と政治支配層の実態
一 ローマ社会の特質
二 政治支配層の性格
三 政治支配層の家族と家系
第二部 皇帝政治の安定と社会変動の進展 紀元二世紀のローマ帝国
第一章 五賢帝時代開幕の真相
一 五賢帝時代の特徴と評価
二 ネルウァ治世の実態
三 トラヤヌス政権成立の真相
第二章 皇帝政治安定の真因
一 「暴君」ドミティアヌスの人と政治
二 「賢帝」ネルウァの人と政治
三 トラヤヌスの政治と内政の安定
四 皇帝政治と自由の「融和」
第三章 皇帝位継承の秘密
一 憎まれた賢帝ハドリアヌス
二 セリヌスの秘密
三 トラヤヌス治世の有力者たち
四 ハドリアヌス政権の成立
五 ハドリアヌスの皇帝位継承策
第三部 社会構造の変動と皇帝政治の変貌 危機に向かうローマ帝国
第一章 対外的危機と政治支配層の変容
一 マルクス・アウレリウス帝とマルコマンニー戦争
二 ローマの戦争目的
三 マルコマンニー戦争の対外的意義
四 戦争の帝国内への影響
五 政治支配層の変容
第二章 皇帝政治の「伝統」とその破綻
一 セプティミウス・セウェルス帝の人と政治
二 皇帝と元老院の対立
三 騎士身分登用の意味
第三章 アリストクラシーとしての皇帝政治の終焉
一 二三八年のローマ帝国
二 アレクサンデル・セウェルス帝の統治
三 二三八年の内乱の意義
結語 ローマ元首政の本質と専制君主政への道
註
あとがき
初出一覧
参考文献目録〔略号一覧・史料・研究文献〕
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南川 高志
1955年生まれ。歴史学者。京都大学名誉教授。専門は、古代ローマ史。
京都大学文学部西洋史卒業、同大学院博士後期課程研究指導認定退学。文学博士。
著書に、『ローマ皇帝とその時代』『ローマ五賢帝』『海のかなたのローマ帝国』『新・ローマ帝国衰亡史』『ユリアヌス 逸脱のローマ皇帝』『大学で学ぶ西洋史 古代・中世』(共著) 『人文学への接近法 西洋史を学ぶ』(共編)など、
訳書に、アエリウス・スパルティアヌス他『ローマ皇帝群像(1~2)』(共訳)ピーター・サルウェイ『古代のイギリスなどがある。