【内容紹介・目次・著者略歴】
「想像力」は理性や知性に比べて低位の能力とされてきたが、今日では逆に基礎能力、それ以上に、動物にはあり得ない人間存在に固有の全体「構想力」とされるようになってきた。今日・今後の技術と情報に溢れかえる時代と文明を、この「想像力・構想力」をより生産的で強靭な「創造力」へと拡充することによって正しく方向づけていくには、どうすべきか。近現代の諸哲学とともに考える。
【目次より】
要旨
序 構想カ・想像カ・創造力
第一章 基準の創定、世界の賦活 カント
補章 カントとカッシラー 象徴概念をめぐって
第二章 世‐開・リヒトゥングへと「構」え「想」う ハイデガー
第三章 〈exhibitio originaria〉(世界の根源的‐自己形成) 三木清
第四章 世界の意味を現働化する:〈reel〉と〈irreel〉の弁証法 サルトル
第五章 〈vivre l'invecu〉(非‐生を生きる)、「語れ、飛べ、創れ!」 バシュラール
第六章 創造者は現象を救う、〈image a priori〉 の脱‐弁証法 シモンドン
第七章 知覚と創造、潜勢秩序の現働化 ボーム
第八章 無意識の魔術、「異」と「同」と新たな「類」の創定 アリエティ
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中田 光雄
1939年生まれ。哲学者。筑波大学名誉教授。
東京大学教養学部教養学科フランス分科卒、同大学院人文科学研究科比較文学比較文化博士課程中退、パリ大学大学院哲学科博士課程。著書に、『抗争と遊戯』『文化・文明』『政治と哲学』『現代を哲学する』『正義、法-権利、脱-構築』『哲学とナショナリズム』『現代思想と<幾何学の起源> 』『差異と協成 』『創造力の論理 -テクノ・プラクシオロジー序論』など、
訳書に、シモーヌ・ヴェイユ『前キリスト教的直観、人格と聖なるもの(著作集第2巻)』シモーヌ・ヴェーユ『科学について』などがある。