【内容紹介・目次・著者略歴】
エックハルトのラテン語著作による初の本格的業績。彼の神論と秘蹟論の中に基本思想を見出し、始原論、存在論、救済論へと考察を展開。
【目次より】
端書
I 序論
1 エックハルトの生涯
2 ドイツ語著作とラテン語著作
3 エックハルト研究の新しい動向
II 原点
1 『命題集へのコラチオ』
2 『命題集へのコラチオ』の解釈の試み
2.1 「本質的属性」と「ペルソナ的属性」
2.2 「測られたる高さ」と「測られざる高さ」
2.3 「不変性」と「可変性」
2.4 「霊的被造物」と「物体的被造物」
2.5 「アクチオ」と「パッシオ」
2.6 「義を齎す恩寵」と「蘇りの栄光」
3 結び
III 始原論
1 『三部作』,『創世記注解』と『ヨハネ福音書注解』
2 『創世記注解』における「始原」
2.1 「イデア的理念」
2.2 「知性的存在」
2.3 「永遠と第一の単一の今」
2.4 「存在」
3 『ヨハネ福音書注解』における「始原」
3.1 「理念」
3.2 「知性」
3.3 「存在」
4 結び
IV 存在論
1 『パリ討論集』
2 『パリ討論集』における 「存在」
2.1 四つの論証
2.2 形象論
2.3 「存在の純粋性」
2.4 アナロギア論
2.5 トマスの存在概念との比較
3 『創世記注解』 における 「存在」
3.1 神の「存在」
3.2 被造物の「存在」
4 結び
V 神認識論
1 『聖アウグスティヌスの祝日にパリで行われた説教』
2 『聖アウグスティヌスの祝日にパリで行われた説教』における神認識論
2.1 「理論的学」,「論理的学」,「倫理的ないし実践的学」
2.2 神認識の三つの方法
2.3 「除去」,「卓越」,「原因」
2.4 「鏡を通して光のうちで」行われる神認識
2.5 「存在」と「徳」
2.6 「修身的徳」,「市民的徳」,「対神徳」
2.7 恩寵の到来する七つの様態
2.8 「愛における激しさ」
3 結び
VI 秘蹟論
1 『1294年にパリで行われた復活祭のための説教』
2 『1294年にパリで行われた復活祭のための説教』における秘蹟論
2.1 「熱意をもって聴かれるもの」の条件
2.2 聖体の秘蹟の四つの条件
2.3 「魂の最後の表象からの浄化」
2.4 「自分に固有の弱さの認識」
3 結び
VII 結語
後記
参考文献
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中山 善樹
1950年生まれ。京都大学文学部哲学科卒業。同大学院修士課程修了。アレクサンダー・フォン・フンボルト財団奨励研究員としてケルン大学トマス研究所に研究留学。同志社大学文学部教授。文学博士。
著書に、『エックハルト研究序説』、訳書に、『エックハルト ラテン語著作集(5巻)』K・ラッシュ『神とは何か』など。