いつか温かな家庭を持つのが夢──でも、愛したのは永遠の愛を拒む富豪。
30歳の誕生日を目前に控えたアイヴィーは悩んでいた。奔放な母の影響で男性不信になり、心を閉ざしてきたけれど、このままでは愛も結婚も子どもも望めない。ふと兄の親友でプレイボーイの建築家、ルイの顔が浮かんだ。勇気を出して彼に純潔を捧げ、新たな一歩を踏みだせたら……。親友の妹の懇願をルイは訝りながらも受け入れ、別荘へ伴うと、一夜かぎりと約束して、アイヴィーを甘美な炎で包みこんだ。翌朝、ルイが目覚める前に彼女はうろたえ、逃げだした──“本当は彼を愛しているのでしょう?”心の声に耳をふさいで。
■ヒロインの気持ちに寄り添い、丁寧に機微を綴るメラニー・ミルバーン。今作も読みごたえのある作品に仕上がっています。ヒロインに惹かれながらも、親友の妹ゆえ自制してきたヒーローでしたが、一夜の余韻が冷めやらず、彼女を追ってパリへ向かい……。