多くの人が人種差別の存在を否定するのは、差別が悪意や憎悪に基づく意図的な行動だと考えているからだ。しかし、意識しなくても、意図しなくても差別は起きる。人種差別が職場に広がっていることは、21世紀の多くの研究で示されており、ダイバーシティを推進する企業でさえも、起きる可能性があることが明らかになっている。職場でもほとんどの企業で人種差別が存在し、解決は困難だと思われがちだ。しかし、企業は比較的小さな自律的集団のため、この難解に思える問題の解決を促すには理想的な場所でもある。本書では (1)問題認識(2)根本原因分析(3)共感(4)問題に対応するための戦略(5)献身的行動という実用的な5つのステップを示す。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2021年2月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。