「あんた、わたしが好きなんでしょ、だったら、抱いてもいいわよ」自分のヌード写真に陶酔しながら、亜矢子は気軽にそう言い放った……。写真家・織本信吉がヌードを撮った新進女優・原亜矢子は、美しい肢体の持主だった。少女のあどけなさと年増女の爛熟味を兼ね備えた身体! その妖しい肉に酔い痴れた信吉は、彼女と婚約するが、ヌード写真が評判になり映画の主役に抜擢された亜矢子は、信吉を裏切る。その後、映画に失敗した亜矢子が、失意の彼の前に現われ、信吉は再び欲情の虜となってしまう……。現代の愛と性、女の哀しい虚栄を鮮烈に描いた表題作ふくむ7編を収録。