あらすじ企業経営にはますます倫理性が求められるようになったが、それは「嘘をつかない」といった単純なルールを守ることだけではない。筆者は功利主義という哲学的思想とビジネススクールの実用主義を結び付け、社会に対して最大の価値を創造するという目標を持ち、意思決定を下すことが倫理上の問題の解決に役立つと言う。本稿では、行動経済学の知見から倫理的な意思決定を妨げる障壁について論じ、トレードオフと時間配分による価値創造を説明する。倫理的な経営を志向するリーダーが持つべき思考と行動様式とは何だろうか。 *『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2021年1月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。