重要な取引に臨むには、相手の情報を調べたり、交渉の落とし所を決めておいたりと事前準備をする。しかし、後は「相手の出方次第」という受け身の態度では、難易度の高い交渉で目標を達成できない。30年にわたって、武力紛争解決から巨額の商業取引まで、リスクもリターンも大きい複雑な交渉について助言してきた筆者らは、事前準備のみならず、最終合意に至るまでの戦略的アプローチが欠かせないと指摘する。交渉相手や取引範囲、相手組織の構成単位を見極め、多種多様な影響力を行使しながら最大限の果実を手に入れるにはどうすればよいか、交渉戦略の原則を伝授する。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2020年12月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。