父のために見知らぬ人と結婚はしても
この無垢な体まで捧げはしない。会ったこともない公爵の妻になれですって? 困窮し、
父の介護に明け暮れるウィローは、突然の結婚話に動揺した。
その昔、父と先代の公爵との間で交わされた約束だという。
とにかく話を聞こうと領主館に赴くと、待っていたのは
数日前、領地の森の湖で裸で泳いでいた美しい青年――
わたしの唇を盗んだ彼が第7代オードリー公爵だったなんて!
「結婚して跡継ぎを産んでくれるなら、莫大な報酬を授けよう」
体の不自由な父との困窮生活から抜け出せるなら……。
無垢なウィローは結婚の条件として人工授精を提案するが――。