みにくいあひるの子は美しい王に恋をした。
自分ではつり合わないと知りながらも。カリスタは働いていた父の会社をくびにされ、車に放りこまれ、
引きずられるように宮殿へ連れてこられた。
なによりも権力を望む父が、大金を払って縁談を用意した?
ごく平凡な容姿の私が、君主の花嫁になって子供を産むですって?
精悍で男らしいオリオン王に初めて胸のときめきを覚えたときも、
カリスタは父の道具となった自分がみじめでたまらなかった。
でも王の氷の視線にも、私はひたすら耐えるしかない。
逆らえば、ずっと守ってきた盲目の妹を家から追い出し、
二度と会えないようにしてやると、父に脅されているのだから。