【書籍説明】
最上豊前守に両親らの「落とし前」をつけさせて主家を辞し、浪々の旅に出た林崎甚助。
しかし執念深い豊前守は、出羽忍びを使うだけにとどまらない恐るべき「追っ手」を二段構えに用意していた。
次第に追い詰められ心身ともに疲弊していく甚助に、斗内が「鹿島の地に剣聖・塚原卜伝を訪ねて教えを乞うては」と助言する。
果たして卜伝は甚助に、道標を示す存在と成り得るのか?
やがて甚助は戦国武将・徳川家康と出会い、図らずも親友となる。さらに彼と斗内を待っていた服部半蔵との嬉しい再会。
武芸への造詣深い家康との友情は特に、甚助の生涯にわたるものとなったのだった。
そして長期に渡って甚助と家康の前に、戦国最強の武田家「騎馬軍団」の脅威が立ちはだかる。
その手始めに襲いかかる武田二十四将の筆頭「武田の赤鬼」山県正景。
三方ヶ原で手痛い敗戦を喫した家康に、赤鬼の赤備えが迫る中、はたして甚助は親友の窮地を救えるのか?
そのあげくに始まった家康と山県昌景の一騎打ちは、どんな結末を迎えるのだろうか?
上巻以上の息詰まる戦闘シーンの連続で描く、謎に満ちた剣聖の半生、その新章の幕が今、開く。
【目次】
第十六章 流浪
第十七章 鹿島
第十八章 卜伝
第十九章 卒業
第二十章 導師
第二十一章 家康
第二十二章 窮地
第二十三章 再会
第二十四章 山県
第二十五章 敗走
第二十六章 仇敵
第二十七章 激突
第二十八章 決着
第二十九章 珍手
【著者紹介】
鈴木天斗(スズキタカト)
1974年 宮城県生まれ。
高校卒業後、「人生を知らなければ、いい作家になれない」と思い先ず、就職する。
目指すは武道を学ぶ者の視点から歴史の裏を読み、謎をひも解く「武芸者ライター」。
小説の執筆のために社会人になってから様々な武道を学び、主に全日本剣道連盟居合道五段、同杖道四段。現在も居合道六段の合格目指して修行中。執筆のための好奇心は未だ旺盛で今現在もキック、システマ、クラブ・マガ等に興味あり。
武道以外の趣味としては日本史探求、カラオケ(武道より自信あり)、英会話など。
著書は他に「運動音痴・臆病・ネガティブだった私でもここまで変われた、杖道の稽古で得られた効果の数々」がある。